向いていない人
少なくとも、この項目にすべて当てはまる人は向いていません。
人との適切な距離が取れない人
近すぎても、遠すぎてもいけません。
クライアントごとに、適切な距離を取れる人でないと嫌がられます。
採用面接をした中で目が合わない・声が小さい・笑わない、のフルコンボだった人はご遠慮したことがあります。
また資産額が見えてしまうため、嫉妬してしまう人も向いていません。
「よそはよそ、うちはうち」が自然とできて、人との境界線がうまく引ける人でないと続きません。
ギャンブル好き
人様の大事なお金を扱う仕事です。
不正を起こさないために、アシスタント自身も健全な家計でないといけません。
疑われるのを予防するため、私はたとえ1円が落ちていても拾いません。クライアントに拾ってもらいます。
時間にルーズ
1日違うだけで、納税額が大きく変わることがあります。
期限内に仕事を終えることは当たり前。
待ち合わせにも、時間通りに行ける人でないと信用がたまりません。
口が軽い
守秘義務があるため、事務所内で知った情報を漏らしてはいけません。
以前面接で口を挟む暇がないほど、話が止まらない人がいました。
明るいことはいいことですが、「慎重さが足りない」ということでお断りしました。
独創的なことが好き
経済状況やクライアントからの要望はころころ変わります。
しかしメインの仕事は地味なものです。
同じ作業を淡々とこなすことが苦手な人は、苦痛に感じるかもしれません。
大雑把・細かいことが苦手
申告書は1円の間違いも許されません。
「まぁ、いっか」が通らない業界です。
細かいミスが多い人、確認作業を怠る人は向いていません。
勉強が嫌い
毎年の法改正に対応できる勤勉さがないと、かなり厳しいです。
資格を取ったからと、安心してはいけません。
仕事でわからないことが出てきたとき、自力で調べて解決するクセがないと仕事になりません。
変化を拒絶する人
日々変化する法律や経済状況に、対応する力が問われる仕事です。
さらに最近ではAIなど新しい技術を積極的に落とし込めるかで、生産性が変わります。
クライアントも日々試行錯誤している中、怠けていたら置いていかれますよ。
実際に同業種の中でも、2極化しています。
積極的に新しい技術を取り入れている事務所は、活気があって右肩上がりな印象です。
向いている人
コミュニケーション能力がある

税理士事務所って書類を作るだけで、デスクワークでしょ?
と思っているかた、残念!
実はクライアントをお手伝いする、サービス業でもあるんです。
そこで大事なコミュニケーション能力を、詳しく解説していきます。
傾聴力
言い換えれば「汲み取る力」。
クライアントは何を求めているのだろうか?と、常に先回りできる人は重宝されます。
聞くのが上手な後輩は、クライアントの心を自然と開かせる力があって凄いですよ。
「この人は受け止めてくれる」と思わせる雰囲気があります。
説明力
複雑な税金の仕組みをクライアントに説明するのって、本当に大変です。
クライアントにとって必要かどうか、取捨選択できることも大事。
飽きずに聞いてもらえるよう、メリハリをつけて説明できるように気をつけています。
課題解決能力
申告書作成などの主な仕事はルーチンワークですが、日々いろんな事件が起こっています。
相続・事業承継・補助金…クライアントの要望は様々。
経営がうまくいくよう、申告書以外のサポートも実は重要です。
自主性をもって進められる人は、仕事を安心して任せられます。
誠実である
守秘義務
税理士事務所で働く必須条件!
内部で知り得たことは、外で話してはいけません。
どんなクライアントと契約しているかも話してはいけませんよ。
私は入った初日に誓約書を交わしました。
忍耐力
クライアントから理不尽な要求をされたときも…
数字が合わなくて泣きそうなときも…
繁忙期で終わらないんじゃないかと思ったときも…
最後は申告書を完成させなければいけません。
結果がすべて!やりきる力!
正確性
1円でも数字の嘘はだめ。
法律に則っているか、適当な数字になっていないか、最後まで注意しなければいけません。
帳簿から申告書まで、すごく密接に繋がっています。
実は嘘がつけない構造になっているんですよ。
そのため、今年のミスは来年にも響いてしまいます。確実に仕上げる力が必要です。
注意力
正確性にも繋がりますが、ミスに気づける注意力は大事です。
先輩で「よくここまで頭が回るなぁ」と、感心する人がいます。
その人は、本当に細部までよく確認していますよ。
計画性・時間厳守
「すみません、今日も遅刻しちゃいました」って人に、税金の計算をしてほしいと思いますか?
「期限内に終わらせてくれないんじゃないか…適当な数字を出してくるんじゃないか…」と内心思いませんか。
誠実な態度は、クライアントの信頼にも繋がってきます。
勤勉である
学習意欲
毎年制度が変わっていくので、常に対応できる人でないといけません。
わからないことは、自分で調べて解決する自主性も大切です。
また条文を読んで判断することが多いので、長い文章に抵抗がないほうが向いています。
といっても、私も経験を重ねたことで長い文章に慣れましたけどね。
知的好奇心
この場合はどうなるだろう?こっちは?と、常に考えられる人は向いています。
その結果、珍しい案件にあたったときに対応できるように。
小さなミスに気づきやすくなったり、クライアントに正しい節税策を提案できたりします。
論理的思考
法律のなかで仕事をしているので、論理的思考は不可欠です。
勉強がちゃんとできる人は論理的思考の素地がある人が多いです。
クライアントに説明するときも、道筋立てて話せるほうが有利。
今税理士事務所が求める人材
向いている人・いない人を説明してきましたが、これから就職する人に向けて「求める人材」もお話します。
以前は、黙々と正確に処理出来る人が求められていました。
しかし目まぐるしく変化する昨今では、状況が変わってきています。
現在は下記のような「変化に強い」人材も求められています。
ITに強い
システムだけでなく、AIも積極的に取り入れていかなければ生き残れなくなってきました。
法律だけではなく、IT分野についても自力で調べるクセをつけておきたいですね。
提案力がある
情報社会になった昨今、クライアントも自力で解決できることが増えてきました。
そんな中、求められているのは「いろんな業界を見てきたプロの視点」。
もちろん守秘義務があるのですが、自社だけでは気づけないアドバイスが求められています。
他社との比較から導き出される客観的な気づきは、税理士事務所ならではの強みです。
精神的にタフ
最後に根性論かよ!と思うかもしれません。
精神的にタフであることは、無茶に耐えるという意味ではありません。
揺らぎやすい場面であっても、やるべきことをやる安定感があるかどうかです。
「プレッシャーがあっても、感情と仕事を切り分けられる人」が求められています。
税理士事務所が求める「メンタルの強さ」とは、気力ではありません。
状況に左右されない品質の維持能力。この一点に尽きます。
まとめ
ごちゃごちゃ言いましたが、私は「簿記の勉強が楽しかったから」だけで飛び込みました。
税理士事務所の仕事は、数字を合わせるだけではありません。
クライアントの想いを汲み取り、経営を支える「究極のサービス業」です。
- 誠実に人と向き合いたい
- 専門スキルで誰かを助けたい
そう感じたあなたは、すでに最高の適性を持っています。
その才能を、ぜひ税理士業界で活かしてみませんか?





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