税理士事務所の面接で言ってはいけない残念ワード【７選】

面接は、事務所とあなたのお見合いの場です。

事務所側は、この2点を冷静にチェックしています。

長い関係になる以上、肩肘を張る必要はありません。

整えすぎたあなたではなく自然体の姿の方が、結果として評価につながります。

とはいえ、うっかり口にすると評価を落とす言葉があるのも事実です。

この記事では採用に携わる筆者が、面接で避けるべき“残念なワード”を7つご紹介します。

この記事を読めば面接で自分をどう表現すれば良いのか、戦略が立てられるようになるはずですよ。

勉強させてください

とくに若い人で多いセリフ。

本人にとってはやる気をアピールしているつもりかもしれませんが、一発アウトです。

社会に出たら自ら学ぶもの。そしてお給料分の結果を出さなければいけません。

と思われてしまいます。

事務所側からしたらなんのメリットもないことに気づいて！

「先輩方の仕事ぶりや過去の資料から自ら学び取り、早く一人前の担当者になれるよう努力します。」

前職の悪口

対比して面接先を褒めているのかもしれませんが、これも要注意。

一緒に働くには危ない人かも、と思われてしまいますよ。

事務所としては、明日は我が身と怯えたくありません。

もしかしたら本人に原因があるかもしれないですからね。

同業種転職では意外と狭い業界なので、前職の噂が流れてくる可能性もあります。

ネガティブワードは避け、曖昧に濁すか、次のようにポジティブに伝えましょう。

「前職では基礎的な入力業務を行ってきましたが、今後はより専門性の高い仕事に挑戦したいと考え応募しました。」

前職と比べる

先程とは逆に、自分を大きく見せようとやってしまっている人にありがちなのがこれ。

無意識のマウンティングには要注意です。

経験のアピールや改善提案だったかもしれませんが、

と思われるかもしれません。

税理士事務所は所長の方針や顧客によって、業務の進め方が千差万別です。

改善提案は信頼を得てから。面接ではまだ早いです。

また経験をアピールするのは結構ですが、自分を誇張しない謙虚な姿勢が大事です。

「まずは御社の業務フローを完璧に習得することが最優先です。その上で、もし効率化などで私の経験がお役に立てそうなことがあれば、その時は提案させていただけますでしょうか」

税理士試験を受けるのですが、残業はどれくらいですか？

試験勉強を頑張ることは大いに結構。

取得を応援している事務所も、ちゃんとあります。

しかしそれは自分の仕事をちゃんとこなし、戦力になったあとの話。

と判断されます。

「一日でも早く官報合格をして、御社に貢献したいと考えています。現在活躍されている先輩方で、仕事と勉強をうまく両立されている方は、どのようなタイムスケジュールで働かれていますか？」

事務所の内情を知ることができて、一石二鳥です。

で、いくら貰えるんですか？

これを言われた瞬間、採用担当者は心の中で静かに「不採用」のスイッチを押します。

と考えてしまうでしょう。

とくに面接の序盤でこれを投げるのは、あまりにも危険なギャンブルです。

厳しいようですが、ビジネスの原則として「給与＝拘束時間への対価」ではありません。あなたが提供した価値への対価です。

特に税理士事務所は「お金（利益）」を扱うプロフェッショナルです。

自分の給料がどこから出ているかに対してシビアになれない人は、経営者の相談相手にはなれません。

もちろん、不当に安い給与で働く必要はありません。

しかし、交渉をするなら自分が貢献できる価値を提示したあとです。

「自分の頑張りが給与に反映される環境で働きたいと考えています。御社では、どのような基準で昇給や賞与が決まるのでしょうか？」

範囲外の仕事はやりたくありません

面接で言ってくる人は稀ですが、入社後慣れてくるとこの本音が出てきたりします。

税理士事務所の仕事はルーチンワークのようでいて、イレギュラーも日々発生しています。

そんなとき同じ職場のメンバーなのに、助け合う気のない人は難しいです。

事務所は一緒に良くしていこうとしてくれる人を求めています。

本当に範囲外の仕事がしたくない場合は、アシスタントではなく入力業務専門の募集を探しましょう。

「正確なデータ作成や所内のバックオフィス業務で皆様を支えることにやりがいを感じます。サポート役に徹することでチームに貢献したいです」

特にありません

面接の終盤、「最後に何か質問はありますか？」と聞かれたとき。 ホッとしたのか、あるいは本当に思いつかないのか、「特にありません」と答えていませんか？

実はこれ、採用担当者が最もガッカリする瞬間の一つです。

なぜなら、その一言は単に「質問がない」という意味ではなく、

• 御社に興味がありません
• ホームページすらまともに読んで来ていません

 という、強烈なネガティブメッセージになってしまうからです。

就職・転職は、人生の大きな決断のはず。

本当にその事務所に入りたいと思っていれば、気になることが山ほど出てくるのが自然です。

それが出てこないということは、どこでもいいから就職したいという受け身の姿勢が見透かされてしまいます。 

面接官は、あなたに興味を持ってもらえていると感じたとき、初めて「一緒に働きたい」と思うものです。

「特にありません」で、チャンスを自ら捨てないようにしましょう。

無理にひねり出しても逆効果。
企業分析をして、自分がそこで働くことを細かくイメージしてみましょう。
そうすれば自然と疑問が湧いてくるはずです。

まとめ

ここまで読んで、「ちょっと厳しすぎるのでは？」と感じた方もいるかもしれません。

ですが、一度想像してみてください。

もしあなたが事務所の所長で、大切なお金を使って人を雇うとしたら？

「（私が）勉強したい」「（私が）残業したくない」「（私が）いくら貰えるか」…

そんなことばかり気にする人に、大切なお客様を任せられるでしょうか？

おそらく、答えは「NO」だと思います。

面接で大切なのは、上手な敬語を使うことでも、立派な経歴を並べることでもありません。

「この人と一緒に働いたら、事務所が良くなりそうだな」 と相手にイメージさせることです。

ついうっかり出てしまう本音や無意識の甘えは、プロの面接官にはすぐに見抜かれます。

ぜひ面接本番の前に、鏡に映る自分に向かって

「所長なら、私を採用するか？」

と問いかけてみてください。